平成22年4月10日(土) 「志ら玉」で会食
上飯田(名古屋市 北区)に「御懐石 志ら玉」という有名な料亭がある。私が 開業前に勤務していた総合上飯田第一病院から歩いて数分というところにあり時々利 用させてもらう店である(北区医師会でもよく利用)。今回は私の姪(妹の次女)が 名古屋市内の女子大に合格したお祝いも兼ねて4人で訪れる。この日の料理は稚鮎や 若竹などといった新鮮な食材をさりげなく調理したものであった。いつものことであ るが旬の素材を使って、決して見た目は派手ではないが味わいのある懐石料理が用意 されている。まさに正統派の日本料理といえるであろう。ここで出されるお酒は百 春:ひゃくしゅん(小坂酒造場:岐阜県美濃市)といって、その純米酒はほどよい香 りがありかつしっかりした味わいがある。私の好きな吟醸酒ではないが、「志ら玉」 の料理の味を引き立てるお酒である(香りの強すぎる吟醸酒は料理とあわないことが ある)。
この店は古くからあったかと思っていたのだが、意外にも戦後(太平洋戦争)上飯 田で初代女将(今も現役)が小さな店を開いたのがはじまりだという。この初代女将 の姪に当たる若女将が今は活躍している。この日も若女将が我々を出迎えてくれた。 この言語聴覚士の資格をもつ若女将とはいささかの縁がある。彼女のお子さん(女児 と男児2名)を上飯田時代から現在のクリニックでも診させてもらっている。
多くの座敷があるのだが、どれも古くて趣がある。名古屋市内の商家や奥三河の古 民家を移築したものである。また有名な陶芸家(人間国宝級)の作品も備えられ、お 茶会などで利用されているとのことだ。姪にとってはこういうところは初めてのよう で、それなりに楽しんでくれたようだ。ちなみにこの姪は私と同じでお酒も食事も大 好き人間である。私がこの「志ら玉に」初めて来た(つれてきてもらった)のは国立 名古屋病院(現名古屋医療センター)の研修医のころだったと思うので、かれこれ3 0年くらい前のことになる。
いずれにしてもこのような料亭が近くにあるというのはうれしいことである。あと 十数年すると若女将の長女が次の若女将になっているかも知れない(そのころ私が生 きているかどうかわからないが)などと想像するのも楽しい。
最後に1句?
「志ら玉 で百春をのむ春の宵」
志ら玉の玄関 名古屋市北区上飯田
稚鮎
ひな人形と若女将(柴山尚子さん):3月に撮影