8月に太平洋戦争の終戦(敗戦)に関する映画が3つ公開されました。夏休みということもありかなり混んでいましたが、「ミッドランド スクエア」は座席も快適で楽しめました(ビールが飲めるのがうれしい)。
「終戦のエンペラー」
日本に駐留してきたGHQが戦争の責任をだれに求めるかというストーリーです。戦争の開始(真珠湾の攻撃)の責任者は形式上とはいえ、昭和天皇になります。ただ終戦を決断したのはやはりその天皇であったという日本人には知られている事実を、このハリウッド映画はかなり忠実に描いていると思います。マッカーサーを演じた俳優のトミー・リー・ジョーンズは日本ではあの缶コーヒーのコマーシャルでおなじみですね。彼とともに日本に来た准将のフェラーズが短期間に日本側の戦争責任者と会い、結論を出すまでところが面白くスリリングな展開となっています。彼は日本の文化、歴史にも詳しく、かつて日本人女性が恋人だったこともあり(この部分はフィクションか)、最終的には「天皇に戦争責任があるという証拠はない」という報告書を提出します。結局天皇は戦争責任を問われることはなく、戦後日本の復興の精神的支柱となったことは、われわれ日本人が知る通りです。
天皇を演じた片岡孝太郎はいかにも天皇らしく、フェラーズの元恋人のおじで軍人役の西田敏行もなかなかの演技でした。「戦後の日本の運命を変えた」とも言われるこの事実を、終戦(敗戦)のこの暑い時期に振り返ってみることは意義あることかと思います。私たち日本人がこういった歴史の延長にあることを認識して、これからどういった道を歩くのかを静かに考えたいと思います。この映画はあの戦争のことをよく知らない(教えられていない)若者に観てほしいと思うのですが、映画館では私たちくらいの世代がほとんどで若い人はちらほらだっつたのがやや残念でした。
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