院長ブログ

2024.03.25更新

 現在私どものクリニックでは医療事務のできる方を募集しています(非常勤)。約3時間を1コマとして、週に3から4コマくらい勤務していただけるとありがたいです。仕事の内容は受付、次回の予約、電話対応などです。点数の計算やレセプトの作成などは専門的な知識が必要なので、徐々に覚えてもらえればと思います。最初の1年くらいは医療事務見習いとして勤務していただきます。
 時間給ですが1100円となります。平日(木曜日を除く)の午後6時より200円増加となります。また土曜日の午後1時からも同様に200円増加となります。お子さん(小学生、中学生)のある方でも勤務していただけるかと思います。その他の問題に関しては個々に対応させていただきます。また医療事務の経験のある方には1100円より高い時間給を設定いたします。

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2024.03.22更新

 麻疹(はしか)にかかると1.発熱(二峰性)2.全身の発疹 3.リンパ節の腫脹(頸部、後頭部)4.結膜の充血 などがみられます。乳幼児が罹患すると発熱が続くため入院治療が必要となることがしばしばあります。日本ではMR(麻疹、風疹)ワクチンが普及して、2015年3月に「麻疹の排除状況」と認められました(WHO)。ところが昨年より世界的にも麻疹の増加がみられ、今年に入って日本でも感染者が報告されるようになりました。この原因の一つとして、コロナ禍で麻疹ワクチンの接種率が下がったこともあるかと思います。
 麻疹(はしか)には根本的な治療法はなく、予防接種で対処するしかありません。日本ではMRワクチンが1期(定期接種) 生後12-24か月、2期 5-7歳 で行われています。具体的には1歳になった時点と、小学校入学前に接種しています。この接種率が1期はかなり高いのですが、2期がやや低い傾向があります。なので限「小学校入学前にMR2期の接種」を確実に済ませましょう。
 このMRワクチン接種は世代により違いがあります。平成12年(2000年)4月よりMRワクチンが2回接種となりました。現在23歳以下の方はこの対象となっていますが、それ以上の年代の方はこのワクチンを1回のみ、あるいは全くしていないこともあります。こういう方は麻疹の感染に気を付けましょう。麻疹の感染力はとても強く、すれ違っただけでも移ってしまうと言われています。
 MRワクチン希望の方は有料(任意接種)でできますが、現在希望者が多く、品薄のようです。

投稿者: なごやかこどもクリニック

2024.03.04更新

女児が思春期になると胸のふくらみ(乳房腫大)がみられます。日本では平均10歳です。この乳房腫大は家族(母親)や学校検診でもわかりやすいですね。低身長の女児では思春期の発来が遅れる傾向(1-2年くらい)がありますが、一部の女児ではこれが遅れずに、あるいは早期に見られることがあります。これらの低身長女児は適切な治療をしないと、最終(成人)身長が140-145cmとなることをしばしば経験します。ですので低身長の娘さんを持つ親御さん(特に母親)は娘さんが小学校2~3年生くらいで乳房腫大がないかどうかをよく観察していただきたいと思います。本来は学校検診で見つかるべきなのですが、時々見落とされていることがあります。これは学校検診にあたる医師が必ずしも小児科医師でないことや、養護教諭にこのような情報が届いてないことも原因の一つかもしれません。
 乳房腫大が7歳半より前に見られる場合「思春期早発症」が疑われます。ただ8歳以降に乳房腫大が認められる場合はこの定義には当たりませんが、最終身長が低くなることは同様ですので注意が必要です。こういうお子さんがありましたら、私どものような小児内分泌の専門医に相談していただくと良いかと存じます。この専門医は愛知県では約10名が認定されています。名古屋市と春日井市、それとこども病院のある大府市を中心に活動をしています。三河地方では豊橋市と豊田市に専門医がいます。
 思春期早発症あるいはそれに近い状態と診断されると、性腺抑制療法が行われます。リュープリンという薬剤を月に1回注射します。2年間くらいこの注射することが多いと思います(保険診療)。治療効果ですが、最終身長を3-5cm程度改善させることは期待されます(骨年齢が11歳未満で治療を開始した場合)。またこの原因の大部分は「特発性」と言って何らかの理由で脳下垂体が早期に思春期レベルに達するためと考えられています。一部の原因として脳腫瘍などによる「器質性」もありますが、女児では男児に比べて少ないことがわかっています。ただ女児でも4-5歳以前に発症した場合注意が必要です。
 女児の思春期早発症は早期に発見できれば、治療により最終身長がかなり改善できます。できれば家庭でお母さんが娘さんの乳房腫大に気づいていただくことが大事なことと思います。小学校5年生くらいで生理(初潮)がはじまり、驚いて受診されるお母さんがありますが、この時点では骨年齢が11歳を過ぎていることが多く治療の対象となりません。こういう娘さんは小学校3年生くらいで乳房腫大がみられたかと思われます。その時点で受診していただいてたら、治療ができた可能性があったのですが。

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2024.02.19更新

 私どものクリニックでは、小児内分泌疾患の診療を専門しているため、低身長(背がびない)のお子さんの相談をよくお受けします。それらの患者さんの約8-9割くらいは、ホルモンなどの異常がない体質性低身長症(いわゆる小柄)と診断されます。これらのお子さんには薬物療法の適応はなく、食事(蛋白質)、十分な睡眠、適度の運動などが重要です。これに関しては以前の院長ブログに書かせていただきました(2021年4月9,16,21日と5月17日)。
 この体質性低身長のお子さんが思春期に達した時(女児10歳、男児11歳)に背が平均よりも低い場合最終(成人)身長も低いことが知られています。具体的には、11歳で思春期に達した男児で身長が135cm以下の場合、最終(成人)身長が160cmに達しないと推定されます。
 こういった男児に蛋白同化ホルモン(プリモボラン)を内服することで身長を5cm程度伸ばすことが可能です(全例ではありませんが)。これについても以前の院長ブログに載せさせていただきました(2020年3月23日:低身長で思春期に達した男児について,2020年4月27日: 蛋白同化ホルモンについて)。
 これまでに450名以上の男児にプリモボランの内服をしていただきましたが、最終身長が160cmに達する男児が多くみられます。その1部では165cmを超える男児も出現しています。この治療は自費診療となりますが、薬代としては月に1万円以内となります。このようなお子さんがありましたら、小児内分泌外来(上條)でご相談下さい。

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2024.02.14更新

 花粉症についてはこの院長ブログで以前も書かせていただきましたので、ご参照下さい。

  2021年 3月 10日     こどもの花粉症

  2022年 3月 28日     花粉症とコロナ感染症 1,2

花粉症の対策としては、外出後の鼻うがい(生理的食塩水)が効果的です。睡眠(6-7時間以上)で免疫力を高めることも重要です。また野菜や果物でビタミンCを摂ることもおすすめです。特にブロッコリーはビタミンCのほかに抗酸化物質も多く含まれているので(指定野菜)、近年注目されています。

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2024.02.06更新

 花粉症は毎年春くらいから始まりますが、今年は例年より早く1月ころより出始めています。今年は暖冬だったため、花粉が大量に産生され飛散したためと言われています。この対策として早めの診断、予防が重要と思われます。症状としてくしゃみや鼻水(アレルギー性鼻炎)、目の痒み(アレルギー性結膜炎)などがあります。
 診断としてはこれらの症状に加えて、血液検査で血清IgEの測定、アレルゲン(スギ、ヒノキなど)の特定を行います。花粉症と診断された場合、抗アレルギー薬の内服、点眼薬などを処方します。抗アレルギー薬は近年安全で効果的な内服薬(1日1回または2回)が登場しています。症状の出る前あるいは出はじめからの内服をおすすめします。
 当クリニッツクではアレルギーの専門外来は開いてないのですが、午後の専門外来(内分泌)や午前中の外来(午前10-11時)で診させていただきます。まずはクリニックまでお電話でご予約をいただければと思います。

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2024.01.05更新

新年おめでとうございます。昨年2023年は今後の世界史に記憶される年となりました。2022年2月のロシアのウクライナ侵攻が、攻防を繰り返しながら今だに続いています。また2023年10月にはイスラエルがハマス(パレスチナ)を攻撃し、双方に多くの犠牲者を出しています。第二次世界大戦以降このような戦争が起こるということは、誰も想像しなかったのではないでしょうか。これらの背後には世界の複雑な政治・経済・民族・宗教などが絡んでいますが。この紛争は大国が小国(民族)を武力で侵略するという点で共通しています。今年はこれらの問題が解決に向けて歩んでいくことを祈りたいものです。
 2019年末に中国の武漢で発生したコロナウイルス感染は、その後パンデミックとなり世界に蔓延しました。日本でも翌年の1月に横浜に寄港したダイヤモンドプリンセス号で初めてコロナ感染が確認され、その後猛威をふるいました。2023年に入るとワクチンなどの効果もあって、収束してきました。日本でも感染第9波が昨年末で終了しました。これはワクチンなどの医療が、凶悪だったコロナウイルスに打ち勝ったと言えるかもしれません。ただ今後もこのようなウイルスが新たに出現する可能性は残るので、まだまだ気が抜けません。
 本年はこの地球でたとえ民族や宗教が違っても、約20万年前のアフリカにルーツを持つホモサピエンスの一族(親戚)として、争いをなくしまた環境破壊を少なくしたいものです。また「私たち人間も自然の一部である」ということを、このコロナ禍から学んだはずですね。当クリニックも今年の春で設立18年目となります。   
                        2024年 元旦
                 なごやかこども成長クリニック院長 上條隆司

投稿者: なごやかこどもクリニック

2023.12.13更新

12月となり、年末に向けてあわただしい時期となりました。こんな時期ですが、私どもクリニックでは看護師(非常勤)、医療事務(非常勤)を募集しています。勤務時間は 午前 9:30より12:30、午後14:30より17:30。夜間 18:00より20:00となります。勤務は週に1-3コマ程度でも可能です。時間給は、看護師 1500円以上(経験により増額)、医療事務 1100円以上(経験により増額)となります。夜間はこれに200円/時間が増額されます。

 看護師さんは、小児科の経験は必ずしも必要ではありません。医療事務さんは経験のある方を歓迎しますが、そうでない方も受け入れています。少しでも興味ある方は、一度ご相談下さい。また看護助手(時給1100円より)と、夜間外来に看護学校・大学の学生さんのアルバイト(時給は相談)も併せて募集しています。
                                          令和5年12月

投稿者: なごやかこどもクリニック

2023.11.24更新

当クリニックでは「発熱外来」を開いてますが、これからも継続いたします。これまではコロナ感染の診断はできなかったのですが、現在はコロナの迅速診断もできるようになりました。これはこの秋に「感染症法」で「5類」と定められ、インフルエンザなどと同等の扱いになったためです。ただこのところコロナ感染も減少傾向にあり、第9波を脱したと愛知県の大村知事も述べています。コロナに変わって、インフルエンザや、プール熱、溶連菌感染などが増えています。これらの感染症ほ小児科が得意とする分野ですので、ご相談を受けています。
 発熱外来は午前11時から12時まで開いています。お子さんが37.5度以上の熱がある場合は、まずお電話で予約をいただければと思います。その時間外に直接受診された場合、その時間帯までお待ちいただくことがあります。
 予防接種ですが、インフルエンザは第2および第4金曜日の午後に行っています(予約制)。コロナのワクチンは現時点で行っていません。

追伸:  現在、コロナとインフルエンザの同時検出キットを使用していますが、やや供給不足となっていますのでご了承下さい。

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2022.12.16更新

 

 ホルモンなどに異常のない低身長のお子さんは「体質性(特発性)低身長」と呼ばれ、私どもの外来に多く通ってもらっています。この対策として

1)良質な蛋白質を充分摂取すること

2)十分な睡眠をとること(午後10時までには就寝する)

3)適度な運動をする(水泳など)についてお話しています。

このうち特に重要なのは蛋白質をとることです。蛋白質(肉、魚、卵など)は胃や腸などで分解吸収されアミノ酸となります。このアミノ酸を基として再び骨や筋肉などの蛋白質を合成するのが「成長ホルモン」です。体質性低身長のお子さんは成長ホルモンは分泌されているのに背が伸びない原因の一部は、この蛋白質が不足していることだと思われます。蛋白質は朝昼夕とそれぞれ摂る必要があります。最近目立つのは朝食をあまりとらないお子さんが多いことです。個別に聞いてみると「朝はパンと牛乳だけ」というお子さんもあります。これではタンパク質の摂取はわずかな量しかありません。こういうお子さんに(親御さんにも)朝に卵1個(卵アレルギーのない方)とソーセージなどをとるように勧めています。これでタンパク質が10グラム弱摂れることになります。和食でしたら、みそ汁に卵、豆腐、アサリなどを入れるようお勧めします。貝類には成長などに必要な亜鉛が含まれています。


 「体質性低身長」のお子さんには、食欲が少なく食べたとしても腹痛や下痢など消化不良の見られることがあります。こういうお子さんに対して、1)食事 2)睡眠 3)運動 に次ぐ対策として4)漢方治療を開始したいと思います。昔から「いわゆる虚弱児」といわれるお子さんに「小建中湯」という漢方薬が処方されてきました。これは胃や腸の働きを改善させ、気力を補う作用があると考えられています。体質性低身長のお子さんはこの「いわゆる虚弱児」と共通な病態が存在するように思われます。この漢方薬を希望される方はお知らせください。対象は小学生以上のお子さんで、保険適応の治療となります。

投稿者: なごやかこどもクリニック

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