肺炎球菌ワクチンは乳幼児の感染症を防ぐために重要なワクチンです。私が小児科医として活動を開始した今から35年から40年前には、多くの乳幼児がこの菌による肺炎や髄膜炎で入院していました。特に髄膜炎は重症で、命を落としたり助かっても重い障害を残したりと悲惨な病気でした。1歳前後の乳幼児があっけなく亡くなってしまうというのは親御さんにとっても、とてもつらく悲しい体験でした。
現在は肺炎球菌ワクチンが広く普及し、そういった重症感染症はほとんどみられなくなりました。今年の10月よりこのワクチンの20価(プレベナー20)が保険適応となり、名古屋市をはじめとする多くの自治体で採用されることになりました。肺炎球菌はたくさんのサブタイプがあるのですが20種類のサブタイプに対応するのがこの20価のワクチンです。この10月から新たにこのワクチンをはじめるお子さんは、この20価で開始します。ただこれまで15価のワクチンで開始したお子さんは、15価を継続します。
肺炎球菌ワクチンは他のワクチンに比べ注射部位の腫脹や発熱が多い傾向がありますが、熱はあっても1~2日程度です。重要なワクチンですので是非お受け下さい。それとこのワクチンは決められた年齢以内(2か月~6才未満)なら公費負担となります(定期接種)。通常は1才までに3回接種をし、追加接種は12~15か月齢に行います。
2024.09.13更新
肺炎球菌ワクチン -15価から20価に-
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