院長ブログ

2021.04.21更新

 

4.適度な運動が成長・発達に必要
運動が成長モルモン(GH)の分泌を促進し、成長発達を促すことはよく知られています。運動や肉体労働が筋肉やその他の体組織を刺激し、ストレス反応としてコーチゾールや成長ホルモンの分泌が促進されます。運動にはジョギングなどの有酸素運動と、筋トレなどの無酸素運動があります。どちらもGHの分泌を増やしますが、無酸素運動のほうがより短時間に、多量にGHを増加させます。GH分泌負荷試験として運動負荷が以前はよく行われていました(私も名大病院在職中は低身長のお子さんにこの負荷検査を行っていました)。
 無酸素運動をすると、筋肉内に乳酸がたまります。この乳酸が増加したことで脳下垂体が刺激されてGHが分泌されます。人間の筋肉の多くは化下肢や腰部にあるので、大人ではスクワットなどが有効とされています。ただ小さなお子さんには負担が大きいので、軽い腕立て伏せくらいがいいかと思います。有酸素運動としては軽いジョッギングや散歩、あるいはラジオ体操などがお子さんには適当かと思います(縄跳びもいいのですが、無理をして足を痛めないように)。実際の運動としては、この無酸素運動と有酸素運動の組み合わせがいいと考えられます(例えば、腕立て伏せ20-30回のあと軽いランニングや早歩き30分程度)。
 小学生であればクラブ活動や地域のチーム(野球、サッカーなど)でこれができると思います。ただしこれらの運動もやりすぎは、成長には逆効果となることもあります。1日2~3時間程度の運動(クラブ活動)を週に2回くらいが適当かと思います。サッカーを3-4時間くらい、ほぼ毎日するというお子さんがありましたが、この年代では過度の運動と考えられます。こういうお子さんでは蛋白の必要量も増えますし、体のケガなどのリスクも増えます。学校への通学が30分くらいあるお子さんでは、土日などの休日に1時間程度家の近くなどの散歩をするといいでしょう。
「どんな運動が成長にいいですか」とよく聞かれますが、基本的にはどんな運動でも本人が好きで続けられるものならいいですよとお話しています。ただ筋肉を極端に増やす運動は、成長期のお子さんにはよくない場合がありますので、個々にお話しさせていただきたいと思います。よろしければ経過観察させていただけます

投稿者: なごやかこどもクリニック

2021.04.21更新

 

4.適度な運動が成長・発達に必要
運動が成長モルモン(GH)の分泌を促進し、成長発達を促すことはよく知られています。運動や肉体労働が筋肉やその他の体組織を刺激し、ストレス反応としてコーチゾールや成長ホルモンの分泌が促進されます。運動にはジョギングなどの有酸素運動と、筋トレなどの無酸素運動があります。どちらもGHの分泌を増やしますが、無酸素運動のほうがより短時間に、多量にGHを増加させます。GH分泌負荷試験として運動負荷が以前はよく行われていました(私も名大病院在職中は低身長のお子さんにこの負荷検査を行っていました)。
 無酸素運動をすると、筋肉内に乳酸がたまります。この乳酸が増加したことで脳下垂体が刺激されてGHが分泌されます。人間の筋肉の多くは化下肢や腰部にあるので、大人ではスクワットなどが有効とされています。ただ小さなお子さんには負担が大きいので、軽い腕立て伏せくらいがいいかと思います。有酸素運動としては軽いジョッギングや散歩、あるいはラジオ体操などがお子さんには適当かと思います(縄跳びもいいのですが、無理をして足を痛めないように)。実際の運動としては、この無酸素運動と有酸素運動の組み合わせがいいと考えられます(例えば、腕立て伏せ20-30回のあと軽いランニングや早歩き30分程度)。
 小学生であればクラブ活動や地域のチーム(野球、サッカーなど)でこれができると思います。ただしこれらの運動もやりすぎは、成長には逆効果となることもあります。1日2~3時間程度の運動(クラブ活動)を週に2回くらいが適当かと思います。サッカーを3-4時間くらい、ほぼ毎日するというお子さんがありましたが、この年代では過度の運動と考えられます。こういうお子さんでは蛋白の必要量も増えますし、体のケガなどのリスクも増えます。学校への通学が30分くらいあるお子さんでは、土日などの休日に1時間程度家の近くなどの散歩をするといいでしょう。
「どんな運動が成長にいいですか」とよく聞かれますが、基本的にはどんな運動でも本人が好きで続けられるものならいいですよとお話しています。ただ筋肉を極端に増やす運動は、成長期のお子さんにはよくない場合がありますので、個々にお話しさせていただきたいと思います。よろしければ経過観察させていただけます

投稿者: なごやかこどもクリニック

2021.04.16更新

 

3.質の良い睡眠や生活習慣も重要です。
食事(蛋白質)の次に重要なのは睡眠です。成長ホルモンは日中も分泌されていますが、い「ノンレム睡眠」があり。一晩のうちこれが交互に繰り返されます。眠りにつくとまず「ノンレム睡眠」があらわれ約90分続きます。この眠りのより深い段階は「徐派睡眠」とも呼ばれ脳の機能はほとんど停止するのですが。このときに大量の成長ホルモンが脳下垂体から分泌されます。このあと浅い「レム睡眠」が現れ、この周期が朝まで繰り返されます。このような睡眠のメカニズムより、睡眠(入眠)から2-3時間が成長ホルモンの供給に重要と考えられています。この成長ホルモンはお子さんの背を伸ばすだけでなく、体(細胞)の修復などにも必要と考えられています。このことから、背を伸ばすために夜は10時まで(遅くとも11時まで)には眠りにつくようにお話をしています。低身長のお子さんの中には就寝時間が遅い方が、時々みられます。夜型社会となった現在の日本ではお子さんにもその影響が及んでいるように思われます。
  夕方の塾(習い事)などで帰宅が遅くなるとか、兄弟(特に兄姉)と一緒に寝るために就寝時間が遅くなるという声が聞こえます。こういうお子さんも、せめて週末(土日)くらいは早く寝るようにしたいですね。またそのような環境を整えることも必要かと思います。就寝1時間前にはスマホ(ゲーム)をやらないとか、照明を減らすとかですね。夜風呂に入る場合は出てから1時間くらいたって、体温が少し低下してから布団(ベッド)に入ると、よく眠れるようです。幼稚園児などで昼寝を長くとると、夜の就寝時間が遅くなることがあります。昼寝は夜の睡眠ほど深くはないので、成長ホルモンの分泌はあまり見られません。昼寝はとるとしても1時間くらいでいいかと思います。夜よく眠るために朝の行動も重要です。朝はきまった時間に起きて光を浴びると、脳内ホルモンで幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」が分泌されます。このホルモンが十分あると夜の睡眠の質がよくなるといわれています。朝の運動(体を動かす)も必要ですが、お子さんでは徒歩での通園や通学でできますね。

投稿者: なごやかこどもクリニック

2021.04.09更新

 

体質性(特発性)低身長について

1.体質性低身長の原因は?
私のクリニックでは背の低い(低身長)多くのお子さんの診療をしています。ホルモン(成長ホルモンや甲状腺ホルモン)の異常や、染色体などの異常などが原因となることもありますが、多くはそのような異常はみられません。このようなお子さんは「体質性あるいは特発性低身長症」と呼ばれます。世間的にはあの子は「小柄」などと言われます。人間の身長を規定する因子(遺伝子)は両親から引き継がれますが、この力の弱い因子を引き継いだお子さんが低身長になると考えられています。体質性低身長の原因の約80%はこの因子によるものですが、後の20%は食事や睡眠といった環境因子によると考えられています。病気が原因である低身長には治療法がありますが、体質性低身長には薬物治療などの方法はありません。
 
2.身長を伸ばすには食事(蛋白質)が最も重要です。
成長を規定する遺伝子を改変することができれば、根本的治療となりますが、そのような方法は技術的にも倫理的にもありません。なので残りの20%の環境要因を改善することが、お子さんの身長を少しでも伸ばす手段と考えられます。最も大事なのは食事です。三大栄養素として糖質、脂質、蛋白質がありますが、このうち筋肉や骨など体の成分となるのは主に蛋白質です。背を伸ばすには十分な蛋白質をとることが必要です。蛋白質の1日の必要量はお子さんでは 体重Kg x1.5gとなります。そしてこの蛋白質は朝、昼、夕と分けて摂ることが必要です。背の低いお子さんは、食欲が少ない(食が細い)傾向があります。なので糖質や脂質は少なめでもいいので、タンパク質を充分とるようにお話しています。特に朝ごはんが少ない(あるいはとらない)お子さんが多いので。朝にはしっかり蛋白質をとるようにもお話しています。蛋白質が多いのは肉や、魚、豆類などです。アレルギーがなければ卵(1個で約6gの蛋白)がおすすめです。

投稿者: なごやかこどもクリニック