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体質性低身長

体質性低身長とは

身長が低いお子さんでホルモン(成長ホルモン、甲状腺ホルモンなど)や染色体などに異常がない場合、

病気によるものではなく、持って生まれた遺伝や体質によるものを体質性低身長または特発性低身長症と診断されます。

「身長が低い」、「身長があまり伸びない」と思われる場合、血液検査やレントゲンなどの検査をします。

 

蛋白同化ホルモン(プリモボラン)

体質性低身長は改善できない?

内分泌ホルモンに異常がない体質性低身長について、日本では成長ホルモンなどの薬物治療は認められていません。

その時の骨年齢にもよりますが、栄養・睡眠・運動をしたうえで、
男児では思春期開始の11歳で身長135cm以下の場合

「蛋白同化ホルモン」を服用すれば、最終(成人)身長が3~5㎝程度改善することが期待されます。

女児で思春期開始時が10歳未満で低身長の場合、性腺抑制療法(リュープロリン)で最終身長を改善することができます。

前者(プリモボラン)は自費診療で、後者(リュープリン)は保険診療です。(愛知県の場合。お住いの都道府県により異なります)背がまだ低いのに思春期が来て骨年齢が進むお子さんにおすすめします。

蛋白同化ホルモン(プリモボラン)とは

蛋白同化ホルモン(プリモボラン)は体内でアミノ酸を材料として骨や筋肉などのたんぱく質を作る作用があります。

しかし、男性ホルモンと似たホルモンなので、服用を続けると体内で作られる男性ホルモン(テストステロン)は低下する傾向があります。

多量を日々服用すると3ヶ月に1度血液検査をすることで、安心に服用していただけます。

服用方法

蛋白同化ホルモン(プリモボラン)は通常2~4錠/日の内服をしていただきます。

副作用としては、肝機能障害などがありますので、約3ヶ月に1回、血液、尿の検査を行います。

また、X線写真による骨年齢の測定を半年に1回程度行い、効果をみてゆきます。

 

背を伸ばすために必要な3つのポイント

プリモボランを服用しているから背が伸びるわけではありません。
効果を最大限に発揮するために必要な3つのポイントがあります。
1.栄養

主にたんぱく質(肉・魚・卵・大豆など)の摂取が必要です。動物性たんぱくと植物性たんぱくを十分とりましょう。

2.睡眠

夜寝ているときに成長ホルモンが分泌しますので、早寝早起きが大切です。遅くとも夜10時までに寝るようにしましょう。

3.運動

激しい運動をしすぎると成長を止めることにもつながりますが、
適度な運動は食欲の増進と睡眠に深く関係しています(水泳は特におすすめです)。

レントゲンをとると骨の年齢がわかりますので、実際の年齢との差が離れすぎていないか、これからの身長の伸びなどを判断します。
当クリニックでは原則として両手のレントゲン写真をとっています。

  • 左手のレントゲン(きき腕の反対側)