院長ブログ

2025.10.20更新

 1951(昭和26)年のサンフランシスコ条約を経て、新憲法のもと日本は政治的にも経済的にも復興の道を歩み始めます。その前年に勃発し「朝鮮戦争」での経済特需もあり、日本の経済は勢いを盛り返します。1964(昭和39)年のアジアではじめての東京オリンピック開催時には東海道新幹線も開通し、輝かしい時代が始まりました(私が12歳)。1970(昭和45)年これもアジア初となる「大阪万博」を経て、日本はますます経済発展をします。この安定成長期のあと1986(昭和61)年ころからいわゆる「バブル期」にはいります。土地も株も驚くほど値上がりし、多くの人たちは「この繁栄が永遠に続くのでは」と幻想(期待)を持ちました。しかし1989(平成元)年12月末には株価と地価は暴落しました。この年の4月に私は米国の大学医学部に留学しました(実際には客員教授として招かれたのですが)。これから日本は長期間の経済不況におちいります(失われた30年)。
昭和という時代を私なりにこのように概観すると、これまた個人的な話になりますが、私は子供のころから大学生時代、そして医師となってから同業の家内(産婦人科医)と結婚して米国の大学(バンダービルト大学医学部)に留学するまでの期間、日本の長い歴史の中でも稀にみる政治的にも安定し、経済的にも豊かな時代を過ごせたのは大変な僥倖であったと感じています(昭和27から64年までの37年間)。もちろん今の令和時代も、いろいろ困難のある中で日本人の叡智を結集してより良い社会を築いていきたいものです。特に今これまで世界をリードしてきた米国がトランプ大統領により変質してきています。「民主主義」「国際協調」「人権擁護」「自由貿易」などの概念が揺らぎつつあります。私たち日本人は今こそこれらを守り世界に発信すべきと思いますが、皆様はどのようにお考えでしょうか。そしてこれからも戦争のない、また参入しない平和な日本であり続けたいですね。     

 オリンピック

 東京オリンピック入場式(日本選手団)

1964年10月10日

投稿者: なごやかこどもクリニック

2025.10.20更新

 個人的な話になりますが、私の両親は大正13年生まれで、今生きていれば101歳となります。昭和という時代を振り返れば「アジア太平洋戦争」の前と後に分けられるかと思います。戦前のニューヨークから始まった世界恐慌から日本も不況となり、その不満から軍部の台頭を許し戦争に向かって突き進む「暗い時代」と、戦後の国土復興に始まり経済発展の「明るい時代」に大雑把に分けられると思います。
1929年(昭和4年)にニューヨークの株式市場の株価が大暴落し、世界中に影響が伝わりました(ブラックマンデー)。日本でもこの影響は大きく大不況となりました(昭和恐慌)。特に農村部の被害は大きく、「女性の身売り」など悲惨な状況となりました。軍隊には農村部の出身者も多く、またこのころの政治家の無力や汚職などもあり、軍部が政治に圧力を開けるようになりました。1931年関東軍は南満州鉄道をみずから破壊し奉天、長春を占領(満州事変)。1932年(昭和7年)の5.15事件(海軍青年将校)で政治家が暗殺され、また1936年(昭和11年)の2.26事件(陸軍皇道派)により、軍部がますます力をもつきっかけとなりました。この経済不況は植民地を持たないイタリア、ドイツ、日本には大きな負の影響をもたらしました。日本は満州に傀儡政権(溥儀)を作りました。これを非難した国際連盟から日本は脱退し(1933年),1937年の中国の盧溝橋事件をきっかけに、約8年にわたる「日中戦争」へと発展します。
 1939年9月ナチスドイツがポーランドに侵攻し、これに対してイギリスが戦線布告をして「第二次世界大戦」がはじまります。1940年9月日本はイタリア、ドイツと軍事同盟(三国軍事同盟)を結び、1941年(昭和16年)12月8日真珠湾に奇襲攻撃をして、アメリカ、イギリスとの戦争に突入します(太平洋戦争)。1945年(昭和20年)8月広島と長崎に原爆が投下され、同14日ポツダム宣言を受諾(無条件降伏)、15日天皇が終戦の宣言を放送(敗戦)し、約4年にわたる戦争は終結します。その後1951年のサンフランシスコ条約で日本は国際復帰の道を歩み始めます。(この年は私が生まれる一年前になります)。

 昭和天皇

 昭和天皇の敗戦のラジオ放送(玉音放送)

1945年8月15日

投稿者: なごやかこどもクリニック

2025.09.24更新

10/1~インフルエンザの受付を開始いたします。

    料金 3600/回

電話または受付窓口でご予約可能です。

接種枠に限りがございますのでお早めにご予約下さい。

投稿者: なごやかこどもクリニック

2025.09.08更新

「戦後80年」と「昭和100年」(1)
—憎悪は憎悪によってやまず、愛によってのみやむ―

今年2025年は「太平洋戦争」の終戦(敗戦)からちょうど80年となります。戦時中は「大東亜戦争」と呼ばれていたのですが、日本軍の東南アジアへの侵攻という帝国主義的なニュアンスを含むということで、現在は「太平洋戦争」と呼ばれています。昭和16年(1941年)12月の真珠湾への攻撃からこの「太平洋戦争」と呼ばれているのですが、このきっかけになったのが、日本軍(関東軍)が中国大陸で軍事行動を起こしたことであると思われます(1936年満州事変、1937年盧溝橋事件)。なのでこの戦争は本来は「アジア太平洋戦争」と呼ばれるのが歴史的には正しいのかと考えます。この戦争の当事者が高齢となりその悲惨さを実体験として語れる人が少なくなりつつあります。次の戦後90年にはほぼ皆無になるだろうと言われています。当事者ではないけれど、その親族などが語り部として、その体験を引き継いでいただくことを期待しています。

戦争体験というと、日本への「空襲」とが「原爆投下」といったことが多く話題になります。ただ日本軍が「アジアを開放するため」という美名のもと、インドネシアを占領したり、オーストラリアの都市を空爆し、シンガポールも占領したという事実にも向かい合う必要があります。今回のテレビや新聞報道などでは、こちらの面はあまり取り上げられなかったように感じます。戦争というのは多かれ少なかれ、光の部分と闇の部分があります。また戦うどちらの側にもそれぞれの主張があります。現在ロシアやイスラエルがウクライナやパレスチナを激しく攻撃しています。歴史的なあるいは地政学的な問題もありますが、お互いが憎み合うという負の連鎖が形成されてしまっています。この負のループから抜け出すために、ブッダの次の言葉を噛みしめたいものですね。「憎悪は憎悪によってやまず、愛によってのみやむ」

補足:このコラムは、 池上彰:日本の戦争徹底解説、2025年8月14・21日 夏の特大号(週刊文春)を参考としました。「アジア太平洋戦争」に関してはいろいろな見方、ご意見があることと思われます。このコラムはあくまでも私個人の見解であることを申し添えさえていただきます。 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2025.08.05更新

 7月20日(8日目)クリニックとNPOのメンバーの4人で観戦に行ってきました。名城公園に新設された新しいアリーナを初めて訪れました。前の愛知県体育館と違って、冷房もよくきいて天井も高く広々とした印象があります。4人の升席も以前より少し広くなりました。注目された新横綱の大の里はこの日は伯桜鵬に敗れ2敗となりましたが、まだこの時点では優勝候補圏内にありました。その後大の里は4敗し、優勝候補は混沌としてきました。千秋楽では25歳の前頭15枚目の琴勝峰(ことしょうほう)が2敗を守り初優勝を飾りました。若手日本人関取が優勝というのはうれしいことです。この琴勝峰に千秋楽で敗れたもののウクライナ出身の安青錦(あおにしき)も大活躍でした。今回横綱として振るわなかった大の里ですが、まだ若いのでこれから優勝の可能性はまだまだありますね。新しい会場での名古屋場所で混戦になりましたが、若手の力士達のこれからが楽しみとなりました。 
 この名古屋場所では平幕2力士に「草野」加えた3人で優勝を争い、新時代を予感させる場所となりました。この日本最大級の新アリーナに8000人近いファンが訪れ、千秋楽まで満員御礼札止めになったようです。

IGアリーナ

                             IGアリーナ(㏌名城公園)

相撲

                              琴勝峰

相撲

           安青錦

投稿者: なごやかこどもクリニック

2025.07.14更新

 7月20日(日)に参議院選挙の投開票が行われます。今回の争点は、「物価高とそれに伴う給与の増加が見込めない」ということだと思います。これに対して与党(自公)は現金給付を、野党は消費税減税を訴えています。このどちらを国民が選ぶかが大変重要で、この結果次第で今後の日本の針路が良くても悪くても決まるのではないかと思います。今回は参議院選ですが、重要な意味を持っていると思います。私はこのコラムでは政治的な発言をしないというのが基本的なスタンスですが、今回だけは例外的に発言させてもらいたいと思います。
  与党の現金給付は大人に1人2万円、子供に1人4万円ということで、お子さんの多い家庭には悪くないのですが、この給付は1回のみです。また配るのにお金も時間もかかります。現在の日本の経済状況では、世界的にみると「減税」をするのがが常識で、多くの経済学者が指摘しています。野党の主張している「消費税減税」が今の日本には最も必要なことと思います。とりあえず「食品だけでも消費税5%」でもいいかと思います。
 その他の問題もあります。昨今の「米価格高騰」にはいろんな要因があるかと思いますが、長年続けてきた「減反政策」が根本にあると思います。これを改めて「米の増産」に方向転換する必要があります。また日本の土地(北海道、京都など)が外国人の勢力によって買収されています。これは、将来的には日本の安全保障にもかかわりかねない可能性があります。これを防ぐ工夫(法律など)も必要ですね。今回の選挙は与党対野党という構図ですが、消費減税を求める国民と、減税を何としても阻止したい財務省(できれば更に上げたい)の攻防とも言えますね。皆さん、これからの日本に何が必要かということをよく考えて、子孫のためにも正しい選択をしていただきたいと思います。
 ※愛知県参議院では4人の定数に対して14人が立候補しています(現職3名)。自民、公明が現議席を守れるか、立憲民主党がどうなるか。新たな政党(参政党など)が票を伸ばすのかなどが焦点になりそうです。

 ※このブログは特定の政治家や政党を推薦するものではありません。みなさんのご判断で投票をお願い致します。                        

                                                                                       イラスト    

投稿者: なごやかこどもクリニック

2025.07.12更新

 このFHへの予防としては食事が重要です。まずコレステロールを多く含む食材を減らすことです。代表的なものは卵、いか、鰻などです。ただ卵は成長期のお子さんには必要ですので、1日2個までは大丈夫でしょう。イカの握りや鰻のひつまぶしなどは私も好きなのですが、月に1回程度にするのがいいですね。次に不飽和脂肪酸※を摂るとLDLを下げることが知られています。動物性でなくて植物性油ですね。サラダ油、オリーブ油、ゴマ油、アマニ油などです。オリーブ油は健康にもいいのでおすすめします。特にエキストラバージンオリーブ油は日本では手に入りにくいのですが、私どもクリニックではポルトガル産のものを扱っています。1本(500ml)を3200円(税込)で販売しています。ご希望の方はお問合せ下さい。その他に適度な運動もお勧めです。1時間程度の散歩(早歩き)を週2回程度できるといいですね。
薬物療法として現在各種スタチン系のものがありますが、FHにはビタバスタチン(リバロ)が有効です。小児では10歳から内服できます(保険診療)。これらの予防や治療で心臓病や、脳梗塞などを防げるといいですね。

 ※不飽和脂肪酸とは簡単に言うと、常温でも固まらない(油状)ものです。魚に含まれるオメガ3脂肪酸(DHA,EPA)もこれに属します。エゴマ油もオメガ3脂肪酸になります。オリーブオイル油もオメガ酸になります。

 

       オリーブオイル

オリーブ油はお子さんの成長に必要です。油(脂質)は脳と体に重要です。この油はホルモンの材料になり、炎症を抑制する働きもあります。

投稿者: なごやかこどもクリニック

2025.07.09更新

 血中コレステロール値は食事や運動などの生活習慣が原因で高くなることが多いのですが、遺伝が原因で特にLDL(悪玉)コレステロールが高いのが特徴的なのがFHとよばれます。コレステロールは細胞膜にある受容体(レセプター)を介して、細胞内に取り込まれます。このレセプターそのものに異常があるとコレステロールがうまく取り込まれず、血中コレステロール(特にLDL)が高くなります。遺伝形式は主に常染色体優性(顕性)遺伝で、この異常が親から子供そして孫へと伝えられます。
 コレステロール(LDL)は血管内皮に蓄積し動脈硬化を引き起こします。とくにFHの方は若いころから動脈硬化が進むことが分かってています。進行すると、男性では20-40歳代、女性では30-50歳代を中心に狭心症、心筋梗塞や脳梗塞といった病気を起こす確率が高くなります。
このFHは200-500人に一人の割合で発生し、全国で約30万人以上の患者さんがいるものと推定されています。ただ私の実感としてもう少し多いのではないかと思います。診断基準として、1 LDL コレステロール値が高い(180mg/dl 以上)。2 両親や親族にLDLコレステロール値が高い人、あるいは心臓病の人がいる。などがあります。お子さんのLDL値が高いと診断された場合、ご両親のどちらかがやはりLDL値が高い可能性がります。これを放置すると、心臓や脳の病気を引き起こす確率が高くなるので、できるだけ早期に食事などによる予防や、薬物治療が必要となります。

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2025.07.04更新

 梅雨の時期となりました。梅雨と言えば紫陽花(アジサイ)ですね。これについては、昨年のこの時期にご紹介しました(Vol.49/2024)。百合は5月から8月くらいに開花する、やはりこの時期の花ともいえるのですね。百合というと英語ではリリーというくらいなので欧米原産の花かと思っていたのですが、アジアが主な原産みたいですね。日本では「古事記」にこの花の記載があります。江戸時代後期より栽培されるようになり、ドイツ人医師シーボルトがヨーロツパに持ちこんで栽培されるようになりました。キリスト教の復活祭に「イースターリリー」として飾られるようになりました。これらの百合が日本に逆輸入されて、現在約15の品種があり夏に漏斗状の美しい花を咲かせます。茎が高く、風に揺れる様子から「揺り」というのが語源であるという説があります。
一方で、この花は西洋でも古くから知られ、聖母子像(1477年頃)の背景に描かれています※。西洋でも東洋でもその美しい姿から、純潔や威厳などの高貴さを象徴する花として愛されています。日本でも女の子の名前として「百合子(ゆりこ)」がつけられていますね。女優さんでいうと、「光る君へ」の吉高由里子と「若大将シリーズ」の星由里子(享年74歳)さんくらいですかね。星由里子を知っているのは私と同じかそれ以上の世代になりますかね。
                       

                       2025年6月  院長 上條隆司


※ ヨーロッパの教会母子像などのリリーは「マドンナリリー」と呼ばれているようです。

 

画像:三種類のユリ

ゆりゆりゆり

投稿者: なごやかこどもクリニック

2025.05.16更新

 4月26日土曜日が鬼形先生の私どものクリニックでの最初の診療でした。前日の金曜日の夜、ささやかな歓迎会を開きました。名古屋錦にある「ショウズ宮長」というワインの美味しい店です!私が若いころから30年以上通っています。

スタッフ写真

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

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