院長ブログ

2026.03.30更新

 2026年4月より、遺伝・発達外来を開始することになりました。担当は愛知県コロニー中央病院をこの春定年退職された水野誠司先生です。水野先生はダウン症候群などの染色体遺伝性疾患の診療を専門としてみえます。コロニー中央病院に長く勤務され、お子さんの心の問題にも対応してもらえます。ADHD,自閉症、不登校などのいわゆる「神経発達症」の診療も可能です。そのようなお子さんがありましたら、ご相談下さい。

 水野先生は名古屋大学医学部小児科で私の数年後輩で、昔からよく知っている先生です。お子さんの病気だけでなく、その家族の「心配ごと」などの相談にも乗っていただけると思います。診療は金曜日の午前の隔週となります(原則として第二、第四金曜日)。

上條隆司

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2026.03.30更新

 ホルモンは脳下垂体や甲状腺などの特定の組織で合成され、血流に乗って末梢組織で作用することをお話してきました。近年消化管からもホルモンが産生されることが発見されました。小腸の入り口(十二指腸、空腸)などで分泌されるのがGIPで「グルコース依存性インスリン分泌ポリペプタイド」と訳されます。簡単に言うと小腸に食物(糖分)が入っててくると、それに反応してインスリンが分泌され血糖を下げます。GLP―1 は「グルカゴン様ポリペプタイド」と訳され、小腸の出口付近で分泌されます。血糖が高い時だけこれを下げる作用があります。また脳に作用して、食欲を低下させます。消化管の動きを抑制することもわかってきました。これらの性質を利用して、前回にも触れたように2型糖尿病の治療薬が開発されました。現在2種類の注射薬(週1回皮下注)が使われています。

 

オゼンピック(ノボ・ノルディスク社)   

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                                           GLP-1受容体作動薬  

 

マンジャロ(イーライ・リリー社)

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                     GIP, GLP-1受容体作動薬  

 

(注)受容体作動薬

  ホルモンの受容体を持続的に刺激して、そのホルモンを分泌させることができます。

投稿者: なごやかこどもクリニック

2026.03.23更新

 糖尿病は1型糖尿病と2型糖尿病に分類されます。1型糖尿病はお子さんに多く見られ何らかの原因により、膵臓のβ細胞からのインシュリン分泌が低下するためにおこります。治療は食事や運動療法に加え、インシュリン治療を行います。一方2型糖尿病は中年以降の肥満型の方で発症します。日本人では圧倒的に2型糖尿病の方が多いです。インシュリンは分泌されますが、肥満などが原因でこの血糖を下げる作用が低下します。食事や運動療法が治療の主体であることは変わりませんが、近年新しい治療薬が登場しました。。それはGLP-1製剤といいます。GLP-1(グルカゴン様ペプタイド)といって小腸から分泌され、血糖が高い時だけ膵臓のβ細胞を刺激して、インシュリンを分泌させます。また同時に食欲を減らす作用があり、その結果血糖を下げる作用があります。このGLP-1受容体を刺激する薬が種々開発されています。

 その中でも「マンジャロ:イーライリリー」という薬がかなりの効果があります。また「オゼンピック:ノボノルディスクファーマ」という薬もあります。これらの薬は週1回の皮下注射となりますが、痛みはそれほどでもなく、これからの2型糖尿病の治療の主流になるかと思われます。この4月より私どものクリニックでも、愛知医大の大竹名誉教授を迎えこの治療を開始します。ご希望の方は、外来予約を(原則第1,第3金曜日午前)。ただこの薬には頻度は低いものの軽度の副作用(嘔吐など)もありますので、注意が必要です。

 また2型糖尿病の新しい治療薬として、SGLT2阻害薬があります。これは簡単に言うと血中の余った糖を、尿に出してしまうという働きをする薬です(カナグル、ジャデイアンスなど)。週1回のGLP-1 製剤の皮下注射と毎日のSGLT2阻害薬の内服が、2型糖尿病の標準治療になる可能性があるかと思います(すべての2型糖尿病に効果があるわけではありませんが)。

マンジャロ

投稿者: なごやかこどもクリニック

2026.03.11更新

 私どものクリニックは小児、思春期の内分泌疾患の診断と治療を約20年にわたり行ってきました。2026年4月より成人の内分泌内科も開始することになりました。担当は愛知医科大学の内分泌・代謝内科を定年退職された大竹千生(かずお)先生です。大竹先生は現在名誉教授として活躍されていますが、専門の下垂体や甲状腺など内分泌全般を広く診療されています。成人ですと2型糖尿病の方も多いと思われこちらの診療もお願いします。2型糖尿病の治療は食事と運動療法が主体であることは昔から変わりありませんが、近年GLP-1製剤(マンジャロ)が出現し新しい治療戦略として注目されています。診療は原則として、第1と第3金曜日の午前となります。

 

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2026.02.10更新

 今インフルエンザが小学校や幼稚園などではやっていますが、花粉症の季節に入ってきましたね3月くらいからスギやヒノキの花粉が舞い始めます。またこの時期は中国大陸からの「黄砂」も飛来しますので、より注意が必要ですね。花粉症に対する抗アレルギー薬がいくつかありますが、花粉に暴露される前に内服して、これをブロックすることが重要です。抗アレルギー薬は保険で最大3カ月処方できます。以前にも書きましたが、この2月のバレンタインの頃から予防内服を始めて、5月の連休ころまでくらいまで続けるといいようです(約3か月間)。
またこの後、シラカンバ(北海道)、イネ科と続き、秋にはブタクサ属や、ヨモギ属などが現れますが、症状としては春のスギ、ヒノキ花粉によるものが強いですね。まず春の花粉症の対策が重要と思われます。
 花粉症は歴史的にみると、ヨーロツパ(フランス)では1500年代にバラによる症状が記載されています(バラ花粉症?)。日本では皆さんご存知のように、戦後復興のためスギが大量に植林されたためですね。花粉の少ないスギが開発されていますが、まだまだ時間がかかりそうです。最近では「舌下免疫療法」も行われています(当クリニックではできませんが)。日本での花粉症の有病率は今や40%を超えています。もはや「国民病」とも言えますね。私どものクリニックはアレルギーを専門としているわけではないのですが、できる限りの診療をしています。

投稿者: なごやかこどもクリニック

2026.01.05更新

  2024年1月におきた「能登半島地震」から2年目の正月を迎えますが、その後の水害などもあり復興はいまだ途上にあります。昨年4月から半年間開催された「大阪・関西万博」は当初の予測より多くの来場者があり、無事終了しました。また9月には「東京2025世界陸上」が開催され、日本の選手も健闘しました。高市早苗自民党総裁が日本史上初の女女性総理大臣に就任しました。積極財政論などで評価される一方、台湾問題をめぐる中国との対立などの懸念もあります。米国のトランプ大統領が再選されて、関税問題や「アメリカファースト」の政策が推進され、世界の政治経済のルールが変更しつつあります。同盟国である日本も今後これに対応する必要があります。
 昨年4月より島根大学医学部の名誉教授の鬼形和道先生が、月1回の土曜の内分泌外来を担当してくれています。30年以上研究でも個人的にも付き合いのある鬼形先生に応援に来ていただいて、心強く思っています。今年の春で私どものクリニックも設立20年を迎えます。これからもスタッフや、鬼形先生をはじめとする若手の小児科の先生方と協力して、クリニックを更に発展させたいと考えています。

2026年元旦

なごやかこども成長クリニック院長 上條 隆司

投稿者: なごやかこどもクリニック

2025.10.20更新

 1951(昭和26)年のサンフランシスコ条約を経て、新憲法のもと日本は政治的にも経済的にも復興の道を歩み始めます。その前年に勃発し「朝鮮戦争」での経済特需もあり、日本の経済は勢いを盛り返します。1964(昭和39)年のアジアではじめての東京オリンピック開催時には東海道新幹線も開通し、輝かしい時代が始まりました(私が12歳)。1970(昭和45)年これもアジア初となる「大阪万博」を経て、日本はますます経済発展をします。この安定成長期のあと1986(昭和61)年ころからいわゆる「バブル期」にはいります。土地も株も驚くほど値上がりし、多くの人たちは「この繁栄が永遠に続くのでは」と幻想(期待)を持ちました。しかし1989(平成元)年12月末には株価と地価は暴落しました。この年の4月に私は米国の大学医学部に留学しました(実際には客員教授として招かれたのですが)。これから日本は長期間の経済不況におちいります(失われた30年)。
昭和という時代を私なりにこのように概観すると、これまた個人的な話になりますが、私は子供のころから大学生時代、そして医師となってから同業の家内(産婦人科医)と結婚して米国の大学(バンダービルト大学医学部)に留学するまでの期間、日本の長い歴史の中でも稀にみる政治的にも安定し、経済的にも豊かな時代を過ごせたのは大変な僥倖であったと感じています(昭和27から64年までの37年間)。もちろん今の令和時代も、いろいろ困難のある中で日本人の叡智を結集してより良い社会を築いていきたいものです。特に今これまで世界をリードしてきた米国がトランプ大統領により変質してきています。「民主主義」「国際協調」「人権擁護」「自由貿易」などの概念が揺らぎつつあります。私たち日本人は今こそこれらを守り世界に発信すべきと思いますが、皆様はどのようにお考えでしょうか。そしてこれからも戦争のない、また参入しない平和な日本であり続けたいですね。     

 オリンピック

 東京オリンピック入場式(日本選手団)

1964年10月10日

投稿者: なごやかこどもクリニック

2025.10.20更新

 個人的な話になりますが、私の両親は大正13年生まれで、今生きていれば101歳となります。昭和という時代を振り返れば「アジア太平洋戦争」の前と後に分けられるかと思います。戦前のニューヨークから始まった世界恐慌から日本も不況となり、その不満から軍部の台頭を許し戦争に向かって突き進む「暗い時代」と、戦後の国土復興に始まり経済発展の「明るい時代」に大雑把に分けられると思います。
1929年(昭和4年)にニューヨークの株式市場の株価が大暴落し、世界中に影響が伝わりました(ブラックマンデー)。日本でもこの影響は大きく大不況となりました(昭和恐慌)。特に農村部の被害は大きく、「女性の身売り」など悲惨な状況となりました。軍隊には農村部の出身者も多く、またこのころの政治家の無力や汚職などもあり、軍部が政治に圧力を開けるようになりました。1931年関東軍は南満州鉄道をみずから破壊し奉天、長春を占領(満州事変)。1932年(昭和7年)の5.15事件(海軍青年将校)で政治家が暗殺され、また1936年(昭和11年)の2.26事件(陸軍皇道派)により、軍部がますます力をもつきっかけとなりました。この経済不況は植民地を持たないイタリア、ドイツ、日本には大きな負の影響をもたらしました。日本は満州に傀儡政権(溥儀)を作りました。これを非難した国際連盟から日本は脱退し(1933年),1937年の中国の盧溝橋事件をきっかけに、約8年にわたる「日中戦争」へと発展します。
 1939年9月ナチスドイツがポーランドに侵攻し、これに対してイギリスが戦線布告をして「第二次世界大戦」がはじまります。1940年9月日本はイタリア、ドイツと軍事同盟(三国軍事同盟)を結び、1941年(昭和16年)12月8日真珠湾に奇襲攻撃をして、アメリカ、イギリスとの戦争に突入します(太平洋戦争)。1945年(昭和20年)8月広島と長崎に原爆が投下され、同14日ポツダム宣言を受諾(無条件降伏)、15日天皇が終戦の宣言を放送(敗戦)し、約4年にわたる戦争は終結します。その後1951年のサンフランシスコ条約で日本は国際復帰の道を歩み始めます。(この年は私が生まれる一年前になります)。

 昭和天皇

 昭和天皇の敗戦のラジオ放送(玉音放送)

1945年8月15日

投稿者: なごやかこどもクリニック

2025.09.24更新

10/1~インフルエンザの受付を開始いたします。

    料金 3600/回

電話または受付窓口でご予約可能です。

接種枠に限りがございますのでお早めにご予約下さい。

投稿者: なごやかこどもクリニック

2025.09.08更新

「戦後80年」と「昭和100年」(1)
—憎悪は憎悪によってやまず、愛によってのみやむ―

今年2025年は「太平洋戦争」の終戦(敗戦)からちょうど80年となります。戦時中は「大東亜戦争」と呼ばれていたのですが、日本軍の東南アジアへの侵攻という帝国主義的なニュアンスを含むということで、現在は「太平洋戦争」と呼ばれています。昭和16年(1941年)12月の真珠湾への攻撃からこの「太平洋戦争」と呼ばれているのですが、このきっかけになったのが、日本軍(関東軍)が中国大陸で軍事行動を起こしたことであると思われます(1936年満州事変、1937年盧溝橋事件)。なのでこの戦争は本来は「アジア太平洋戦争」と呼ばれるのが歴史的には正しいのかと考えます。この戦争の当事者が高齢となりその悲惨さを実体験として語れる人が少なくなりつつあります。次の戦後90年にはほぼ皆無になるだろうと言われています。当事者ではないけれど、その親族などが語り部として、その体験を引き継いでいただくことを期待しています。

戦争体験というと、日本への「空襲」とが「原爆投下」といったことが多く話題になります。ただ日本軍が「アジアを開放するため」という美名のもと、インドネシアを占領したり、オーストラリアの都市を空爆し、シンガポールも占領したという事実にも向かい合う必要があります。今回のテレビや新聞報道などでは、こちらの面はあまり取り上げられなかったように感じます。戦争というのは多かれ少なかれ、光の部分と闇の部分があります。また戦うどちらの側にもそれぞれの主張があります。現在ロシアやイスラエルがウクライナやパレスチナを激しく攻撃しています。歴史的なあるいは地政学的な問題もありますが、お互いが憎み合うという負の連鎖が形成されてしまっています。この負のループから抜け出すために、ブッダの次の言葉を噛みしめたいものですね。「憎悪は憎悪によってやまず、愛によってのみやむ」

補足:このコラムは、 池上彰:日本の戦争徹底解説、2025年8月14・21日 夏の特大号(週刊文春)を参考としました。「アジア太平洋戦争」に関してはいろいろな見方、ご意見があることと思われます。このコラムはあくまでも私個人の見解であることを申し添えさえていただきます。 

投稿者: なごやかこどもクリニック

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