ジャズバー BE VAPP
名古屋のテレビ塔の近く(たての街B2)にあるこの店に通い始めて十数年になる。ここでは土曜を除いて毎晩ジャズを中心としたライブをやっている(PM9時ころより)。私もクリニックで夜の外来を終えて、地下鉄名城線で家(川名)に帰る途中ここに立ち寄ることが多い。今日は女性トランペッターである西崎佳代子さんが中心のライブである。いつものように地下鉄「久屋大通」駅を降りて2,3分のこの店にはいると常連のMさんなどがカウンターで呑んでいる。西崎さんと高橋朝道君(AltoSax),武藤祐志さん(Guitar)が練習(音あわせ)をしている。この店は小さな規模でカウンターとボックスに15人も入ればいっぱいになってしまうが、その分演奏者から近く音もダイレクトに伝わりどの席も一等席といえる。ジャズナンバーも含めいくつかの曲を聴かせてもらう。西崎さんはもともとクラシックのトランペット演奏家であるが、このところJazzで活動をしている。高橋朝道君もある意味異色の若手Sax奏者ともいえる。今年名古屋大学工学部を卒業したのだが、就職の道を選ばずプロの音楽家(JazzMusician)をめざしている。武藤さんはギターを教える先生でもあるが、今日の演奏のリーダー格である。トランペットとサックスといえば日野皓正と渡辺貞夫がいるなー(こちらは大御所だが)。西崎さんと朝道君もこれから更にいい音楽を聴かせてくれるだろう。
BeVappのオーナーママ(川口静代さん)は名古屋のJazz界では有名人で、これまで無名の新人を多く発掘しプロとしてデビューさせるきっかけをつくっている。かとうえいこ(シャンソン歌手)をはじめ司いつこ、Keiko Lee(リーケイコ)といったJazzVocalisitがこの店からスタートしたといってもいいだろう。リーケイコさんは今では全国的に知られ、ニューヨークでレコーデイングするような歌手となったが、彼女がまだ無名なころこの店で歌っていたのをつい最近のように思い出す。この店の出身で最近実力を伸ばしているのが榊原洋子である。彼女の歌を始めて聴いたとき、日本人ばなれしたその声量とスケールの大きさに驚いたものである(歌自体の洗練度はまだ今ひとつであったが)。洋子ちゃんは私たち夫婦と同じ三河出身ということもあって、個人的にも親しくさせてもらっている(というより彼女もかなりのお酒好きで、呑み仲間といったほうがいいか)。彼女は「A house is not a home」というデビューCDをつくっている。
月に2,3回訪れるこの店は、ママをはじめお客さん、ミュージシャンもほとんど顔なじみでわたしにとってほっと一息つけるところである。バーボンを飲みながら彼らの音楽を聴いていると、多少の仕事の疲れも吹き飛んでしまう。やはりこの店で歌うVocalistの佳川夏己さんの言葉。「貴方が、名古屋は栄テレビ塔横のたての街地下2階にBEVAPPをみつけたらラッキーだ。是非行ってみて欲しい」
BE VAPP: 名古屋市中区錦3-6-15たての街B2 TEL052-962-1553
榊原洋子、ママ(川口静代)と常連さんお二人
西崎佳代子、高橋朝道、武藤祐志
西崎さんは1児の母でもあります。長女の彩華ちゃんは私どものクリニックに遊びに(予防注射)に来ます。
左:8月6日のライブ「榊原洋子と武藤祐志」
右:8月13日ライブ「佳川夏己 、高橋朝道、武藤祐志」