なごやかこどもクリニックの過去のブログ

2009.11.28更新

11月28日(土) 錦の鮨屋「うさぎ」

名古屋の錦に「うさぎ」という鮨処としては一風変わった名前の店がある。錦第一ホテルの1階にあり、場所も良いことから私も長年通った鮨屋さんである。大将の近藤哲二郎さんは、この道40年以上のベテランである。奥さんと二人で切り盛りする家庭的な店(カウンターのみ10席程度)で、私は金曜日の夜外来のあとPM9時くらいに寄って呑んだり、食べたりさせてもらった。ご主人の近藤さんは出身が岡崎で私たち夫婦と同郷ということもあり、気楽に通わせてもらった。ところが大将は糖尿病があり腎機能も悪化してきたため、この「うさぎ」を残念ながら閉店することなり本日が最終営業日となった。
この店は現在の場所に移って12年となるとのことだった。私はここに移転する2,3年前から来ているので通算すると15年くらい通ったことになる。大将は大阪で修行して名古屋で店を開いたということで、関西の散らし寿司も美味しくまた江戸前の鮨も絶品である。江戸前の「まぐろ」のづけ(まぐろを醤油で浸したもの)はこの店の名物といってもいいくらいである。実際私もこの店で始めてこの「づけ」を体験した。
「うさぎ」という店名の由来を一度聞いたことがあるが、大将のお姉さんと奥さんが「うさぎ年」であることから命名されたようだ。どちらかというと無口で淡々と鮨を握る大将と、明るくて社交的な奥さんのコンビはなかなかなものである。また大将は「大相撲」と何らかの関係があるようで、横綱の朝青龍がこの店を訪れたときの写真が飾ってある。
長年にわたっておいしい鮨を握ってくれた大将には、ご苦労様といいたい。鮨だけでなく、茶碗蒸しや各種珍味(「ばちこ」など)もこの店独特のものである。またあまりプロが握らない「いなり寿司」もおいしかった。ぜひ腎機能を回復されて、またいつかどこかで鮨を握ってほしいと願うのは私たちだけではないであろう。今日は私たち夫婦以外にも、長年の常連さんが「うさぎ」での最後の鮨を楽しむために集まった(静岡から来たお客さんもあった)。今日は息子さんが手伝いにきていた。大将や奥さんとのまたの再会を期待しつつ店を出る。



鮨ねたケース: こはだ、えび、しゃこなど


仕事中の大将と奥さん


ねたを選ぶ大将


鮨(いなり、あなご)。
日本酒 「契(大吟醸)」サカツコーポレー ション(本社、名古屋)


珍味「ばちこ」(なまこの卵巣の干物:大将の手作り)。
私もここで初め て体験。その形が三味線の「ばち」に
似ていることから「ばちこ」と呼ばれるようだ。


店の前で奥さんとともに。さようなら「うさぎ」さん。

投稿者: なごやかこどもクリニック