なごやかこどもクリニックの過去のブログ

2012.04.26更新

平成24年4月20日〔金〕 学会2日目

 午前中のシンポジウム「甲状腺ホルモンの輸送と代謝」は名大環境医学研究所の村田善晴教授が座長の一人で、島根大学の鬼形和道先生がSBP2遺伝子異常の報告をされた。同時進行のシンポジウム「希少疾患の内分泌病態生理」は慶応の長谷川奉延先生と浜松医大の緒方勤先生が座長を勤め4つの演題が発表された。4題とも私がよく知っている小児内分泌科医が演者である(慶応の鳴海先生、北大の田島先生など)。こうしてみると内分泌学会の中でも、小児内分泌科医が活躍している〔特に遺伝子の分野〕のを見るのは嬉しいことである。

 この日の夜、無事発表を終えた島根の鬼形先生と錦で食事をする(呑む)。鬼形先生とも長い付き合いになるが、いつも陽気で元気な彼と飲むとついつい呑みすぎてしまう(いつものことか)。鬼形先生は翌日の出発が早いこともあり、いつもよりは早めに切り上げたが楽しい夜のひと時であった。


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学会受付風景


投稿者: なごやかこどもクリニック

2012.04.25更新

平成24年4月19日〔木〕 第85回日本内分泌学会学術総会

この日から名古屋の国際会議場で総会が開かれた。会長は名古屋大学 糖尿病内分泌内科教授の大磯ユタカ先生である。名古屋で小児内分泌をやっている私には、20年以上にわたってお世話になっている先生である。会長講演では脳下垂体後葉、尿崩症に関する長年の研究成果を話された。これまで部分的には大磯先生のお話を聞く機会はあったのだが、このように系統的にお聞きすると学問的な重みと内分泌に関する情熱に改めて感動させられた。このような先生と身近に内分泌の仕事ができたことは嬉しいことでもあり、光栄でもある。最後に近年話題となっている再生医療についても言及された。ES細胞やiPS細胞などから組織や臓器を誘導、発生させる技術が近年飛躍的に向上し、歯や筋肉あるいは神経などが再生される日もそう遠くないことと考えられる。大磯先生がこれから取り組まれるのが、何と!脳下垂体の再生医療とのことであった。動物ではすでに一部成功しているようだ。もしこれがヒトで可能となれば、脳腫瘍などで下垂体機能を失った人には大変な朗報となるであろう。ロマンチストの大磯先生らしい夢のある講演であった。この総会が名古屋で開催されるのは今回で3回目である。前回の会長は名大脳外科教授の景山先生(故人)であった。次に名古屋で開かれるのは30年くらい後か(その頃私は生きていないと思うが)。

東京女子医大の高野加寿恵教授の講演も印象的であった。高野先生は成長因子の一つであるIGF-1の研究から、低身長の臨床研究などの長年にわたる経験を話された。私の研究領域と重なることもあって、興味深くお聞きした。また多くの女性の内分泌研究者を育てられたことも、高野先生の大きな業績である。大磯先生、高野先生と私にとって長年にわたって身近で研究上でも個人的にもお世話になった先生のお話を聞くことができたことが、今回の学会の最大の成果であったと思う。


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日本内分泌学会学術総会



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