院長ブログ

2024.07.16更新

 梅雨の時期となってきました。「梅雨の花」とも呼ばれる紫陽花(あじさい)がみずみずしいですね。この花は万葉集にも見られるように、日本では古くから愛されていますね。全部で2000種類以上あり、日本を含む東アジアに多いようです。「ガクアジサイ」が原型で、それが変化したものが「ホンアジサイ(てまり咲)」と言われています。日本の弱酸性の土壌で育ったアジサイは青紫色になります。アントシアニンという色素が種々の環境条件により変化したためらしいですね。これに対してヨーロッパなどのアルカリ性の土壌で栽培されると黄色や赤い花となります。

あじさい1

 青紫のアジサイの言葉は「冷淡」とか「無情」ということで、その色が与える印象から来るようです。それでも日本では長く愛でられる花であることは間違いありません。蒲郡市は海やミカンなどで知られていますが、アジサイでも有名な街です。形原温泉は「あじさいの里」と呼ばれています。夏休みなどにこの蒲郡市を訪れてみてはいかがでしょうか。ちなみに三河地方で生まれ育った私は、「愛知教育大学付属岡崎中学校」の同級生が蒲郡に住んでいます。

あじさい2

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2024.07.12更新

 このところ「手足口病」が増えています。この病気(感染症)は、5歳以下のお子さんの手のひらや、足の裏、口腔内に水泡性発疹(水ぶくれ)などがみられます。膝や臀部(おしり)などにもみられることがあります。2-3割くらいのお子さんで発熱がありますが(38-39℃程度)、短期間(2-3日くらい)のことがほとんどです。その後に上記の「水ぶくれ」などが出現します。原因はエンテロウイルスやコクサッキーウイルスなどです。これらに対するワクチンや治療薬はないので、対症療法が基本となります。感染は飛沫(咳など)や接触(便など)などです。症状がなくなっても一定期間ウイルスが便には排出されるので注意が必要です。

 手足口病は主に子供に感染しますが、大人にも感染することがあります。病状は基本的には軽症ですが、時に髄膜炎、脳炎、心筋炎などの合併症を起こすこともあります。高熱が続いたり、意識障害がみられる場合は小児科や救急病院などを受診してください。コロナ禍でこの3年くらいマスクなどで感染防衛したため、お子さんの免疫力が落ちているのが、最近の手足口病の急増の一要因ではないかと考えられています。

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2024.07.01更新

 私どものクリニツクでは低身長(背ののびない)のお子さんの診療を行っています。通常男児では11歳、女児では10歳で二次性徴(男らしさ、女らしさ)が現れます。この年代の低身長のお子さんでは、二次性徴がいつ出現するかということが重要になります。二次性徴が早期に現れると身長の伸びはよくなりますが、骨成熟が進み最終的には低身長となる可能性があります。二次性徴が遅れると身長の伸びは少ないのですが、後まで背が伸び、最終的には正常身長になる可能性があります。

 具体的には、男児では男性器や睾丸の大きさ、女児では乳房の発達を評価します。イギリスの小児科医のTannerが1962年考案したTanner stage(タナー段階)が国際的に用いられています。男女ともに1から5段階(期)に分類され、2-4段階(期)が思春期と判定されます。1段階(期)は思春期前、5段階(期)は成熟男女と判断されます。これらの情報はお子さんの最終(成人)身長を推定するのにも、今後の治療が必要かどうか決定するのにも重要です。

 医療機器(CT、エコーなど)の発達した現代ですが、患者さんをよく見たり(視診)、直接触ったり(触診)する事は診断手技として重要なことは変わりありません。もしそういうことを嫌がるお子さんありましたら、あらかじめお知らせください。

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2024.05.17更新

 このところGHによる治療(自費)についてお問合せがあるのでお答えします。私どもの内分泌外来では低身長(背が伸びない)のお子さんの診療を多く行っています。低身長の原因はいろいろあって、それを診断するのがこの外来の主な目的です。低身長のお子さんのうち、成長ホルモン(GH)の分泌不全による方は約1割程度です。こういうお子さんが保険によるGH治療の対象となります。
 この診断基準は次のようになっています。まず低身長(-2SD以下)があること。背を伸ばすホルモンであるIGF-1(ソマトメジン)が低値で、骨年齢が暦年齢よりも遅れていることなどです。そしてGH分泌負荷試験でGHの反応が一定レベル以下であることが保険診療による治療の条件となっています。保険診療であれば治療費はかかりません(愛知県では大部分の自治体では18歳まで)。
 このようにGH治療は原則保険診療で行いますが、一部例外があります。低身長がありIGF-1低値や骨年齢の遅れなどはあるのですが、GH分泌負荷試験でGHの反応が低いものの、一定の基準を満たさないことがあります。こういったお子さんは自費のGH治療で背が伸びる可能性があります。ただしGHは高額となります。体重によりますが月に数万円から10万円を超すこともあります。保険診療でもGH治療で良く身長が伸びるのが開始1年から2年目になりますので、自費診療の場合も治療はこの期間(最大2年まで)となります。
 GH治療(自費)の効果は個々で違いがありますので、ご希望の方はまずご相談下さい。

投稿者: なごやかこどもクリニック

2024.05.07更新

 乳幼児に接種される「四種混合」がこの春より「五種混合」に変わります。四種混合はD:ジフテリア、P百日咳、T:破傷風、IPV:ポリオのワクチンの総称です。百日咳は乳幼児で強い咳が続きます。ポリオは現在日本ではほとんどみられませんが、海外から持ち込まれる可能性があります。罹患すると四肢に麻痺を起こすことがああり、ワクチンで予防するしかありません。
 この「四種混合」にHibが加わったものが「五種混合」です。Hib感染症はインフルエンザ菌b型によるもので、乳幼児に髄膜炎などの重篤な感染症を引き起こします。生後2か月より接種を開始し、約1か月の間隔で3回接種します(初期接種)。この1年後に追加接種を行います。副反応として発熱などがありますが、重篤なものはありません。すでに「四種混合」を開始したお子さんは、ひき続きこれと「Hibワクチン」を別個に接種します。

 追加説明:従来は経口生ポリオワクチン(OPV)を行っていましたが、現在は不活化ポリオワクチン(IPV)になっています。

投稿者: なごやかこどもクリニック

2024.04.17更新

 初診の予約は原則として電話でと先日お伝えしました。「低身長」や「思春期早発」で診察を希望される方には、これまでの成長の記録を持参していただくことをお願いいたします。具体的には母子手帳、幼稚園(保育園)、小学校での記録などです。小学校では毎年春(5月か6月くらい)に身体計測が行われますので、それをお持ち下さい。また他の病院やクリニックを受診されている方は、そこでのデータ(あるいは紹介状)を示していただけると参考になります。肥満や夜尿症の方も成長の記録は参考になりますので、できるだけご持参ください。

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2024.04.12更新

 4月4木曜日の午後鶴舞公園の桜を見に行ってきました。桜はほぼ満開で多くの人が出ていました。コロナの流行中に減っていた花見客も以前の水準に戻ってきように感じます。公園内には限「ソメイヨシノ」を中心に約750本の桜が咲きほこっています。公園側によると「一つの芽から咲く花の数が例年より増えた」ようです。

さくら1さくら2

 

この桜の時期にはいろいろな露店が出るのですが、郡上八幡の鮎はほぼ毎年楽しみます(特に子持ち鮎)。この露店も新しい店があり、以前よりも多くなったように感じます。「花より団子」と言いますがむしろ「花も団子も」ですね。あゆ全体あゆ大

 

公園内にある「萩の茶屋」で。ここの名物の木の芽田楽も楽しみの一つです!後方が名大病院です。この名大病院には足かけ20年勤務しました。前半は常勤医員として後半は非常勤講師として外来や授業を担当しました。上條名大

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2024.04.10更新

当クリニックでは原則として、一般外来、専門外来、予防接種などは予約制となっています(電話、WEBなど)。初診については、患者様の状態、情報などを把握させていただくため、原則として電話でお受けしています(昼休みの時間帯も対応しています)。ご了承よろしくお願いいたします。

投稿者: なごやかこどもクリニック

2024.03.25更新

 現在私どものクリニックでは医療事務のできる方を募集しています(非常勤)。約3時間を1コマとして、週に3から4コマくらい勤務していただけるとありがたいです。仕事の内容は受付、次回の予約、電話対応などです。点数の計算やレセプトの作成などは専門的な知識が必要なので、徐々に覚えてもらえればと思います。最初の1年くらいは医療事務見習いとして勤務していただきます。
 時間給ですが1100円となります。平日(木曜日を除く)の午後6時より200円増加となります。また土曜日の午後1時からも同様に200円増加となります。お子さん(小学生、中学生)のある方でも勤務していただけるかと思います。その他の問題に関しては個々に対応させていただきます。また医療事務の経験のある方には1100円より高い時間給を設定いたします。

 

投稿者: なごやかこどもクリニック

2024.03.22更新

 麻疹(はしか)にかかると1.発熱(二峰性)2.全身の発疹 3.リンパ節の腫脹(頸部、後頭部)4.結膜の充血 などがみられます。乳幼児が罹患すると発熱が続くため入院治療が必要となることがしばしばあります。日本ではMR(麻疹、風疹)ワクチンが普及して、2015年3月に「麻疹の排除状況」と認められました(WHO)。ところが昨年より世界的にも麻疹の増加がみられ、今年に入って日本でも感染者が報告されるようになりました。この原因の一つとして、コロナ禍で麻疹ワクチンの接種率が下がったこともあるかと思います。
 麻疹(はしか)には根本的な治療法はなく、予防接種で対処するしかありません。日本ではMRワクチンが1期(定期接種) 生後12-24か月、2期 5-7歳 で行われています。具体的には1歳になった時点と、小学校入学前に接種しています。この接種率が1期はかなり高いのですが、2期がやや低い傾向があります。なので限「小学校入学前にMR2期の接種」を確実に済ませましょう。
 このMRワクチン接種は世代により違いがあります。平成12年(2000年)4月よりMRワクチンが2回接種となりました。現在23歳以下の方はこの対象となっていますが、それ以上の年代の方はこのワクチンを1回のみ、あるいは全くしていないこともあります。こういう方は麻疹の感染に気を付けましょう。麻疹の感染力はとても強く、すれ違っただけでも移ってしまうと言われています。
 MRワクチン希望の方は有料(任意接種)でできますが、現在希望者が多く、品薄のようです。

投稿者: なごやかこどもクリニック

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