院長ブログ

2021.01.18更新

 

先日の、蛋白同化ホルモン(プリモボラン)内服中の注意点について①の続きです。

 

2.薬(プリモ)の量と飲み方
 プリモボランは1錠が5mgです。1日の量は通常 10-20mg(2-4錠)となっています、これを2-3回に分けて内服します。当クリニックではお子さんの体重と男性ホルモンの値によりますが2-3錠/日(時に4錠/日)で開始しします。1か月半(45日)後に血液検査を行いテストステロンが30 ng/mlくらいに低下していれば、その量を維持量とします。そこまで低下していなければもう1錠増量します。次の1か月半後に再度テストステロンの検査をします。
プリモは半減期が長いので1日1~2回の内服も可能です。朝、晩の内服でもいいのですが、朝は十分な時間が取れないお子さんも多く、当クリニックでは就寝前(あるいは夕食後1時間ころ)の内服をおすすめしています。

3検査について
 プリモ内服中は原則として3か月に1回の血液検査(飲みはじめは1か月半毎)を行っています。テストステロンや肝機能などのチェックを行います。またXP(レントゲン)による骨年齢の判定は6か月ごとに行います。

4.内服の期間について
  男児では骨年齢が14歳で骨端線が閉鎖するので、それまでがプリモの内服となります。ただ男児の場合骨年齢が14歳に達してもまだ背が伸びることがあります。こういう場合はさらに3か月くらいプリモの内服をおすすめすることもあります。

5.性腺抑制療法(リュープリン)との併用
  「プリモボランと性腺抑制療法と併用できないか」という質問を時々受けますが、当クリニックでは原則として行っていません。私共の経験ではプリモボランで十分に男性ホルモンが低下し、骨成熟も抑制されます。もしプリモボランで男性ホルモンが下がらない場合や副作用(肝機能障害など)みられた場合、リュープリンと併用あるいはリュープリンに切り替えることは考えられますが、今のとことそのような患者さんはありません。

投稿者: なごやかこどもクリニック