院長ブログ

2024.05.17更新

 このところGHによる治療(自費)についてお問合せがあるのでお答えします。私どもの内分泌外来では低身長(背が伸びない)のお子さんの診療を多く行っています。低身長の原因はいろいろあって、それを診断するのがこの外来の主な目的です。低身長のお子さんのうち、成長ホルモン(GH)の分泌不全による方は約1割程度です。こういうお子さんが保険によるGH治療の対象となります。
 この診断基準は次のようになっています。まず低身長(-2SD以下)があること。背を伸ばすホルモンであるIGF-1(ソマトメジン)が低値で、骨年齢が暦年齢よりも遅れていることなどです。そしてGH分泌負荷試験でGHの反応が一定レベル以下であることが保険診療による治療の条件となっています。保険診療であれば治療費はかかりません(愛知県では大部分の自治体では18歳まで)。
 このようにGH治療は原則保険診療で行いますが、一部例外があります。低身長がありIGF-1低値や骨年齢の遅れなどはあるのですが、GH分泌負荷試験でGHの反応が低いものの、一定の基準を満たさないことがあります。こういったお子さんは自費のGH治療で背が伸びる可能性があります。ただしGHは高額となります。体重によりますが月に数万円から10万円を超すこともあります。保険診療でもGH治療で良く身長が伸びるのが開始1年から2年目になりますので、自費診療の場合も治療はこの期間(最大2年まで)となります。
 GH治療(自費)の効果は個々で違いがありますので、ご希望の方はまずご相談下さい。

投稿者: なごやかこどもクリニック