院長ブログ

2022.03.28更新

 

花粉症とコロナ(オミクロン株)感染症①

 このところ(今年2月から3月にかけて)お子さんでも花粉症の患者さんが増えています。花粉症は正式には「季節性アレルギー鼻炎」と言いますが、スギやヒノキの花粉などの刺激が原因で1)鼻水、鼻づまり、2)くしゃみ、3)目のかゆみ などが見られます。もう少し詳しくいうと花粉がアレルゲンとなってマスト細胞からヒスタミンなどのアレルギー誘発物質が産生され、上記のように鼻粘膜や結膜刺激症状が現れます。 この東海地方では2月下旬からスギの、4月上旬からヒノキの花粉の飛散が増えると言われています。花粉症は春に多いのですが、秋にもブタクサやヨモギなどが原因で見られます。この花粉症の症状が朝(午前6-7時くらい)に現れることも多く、モーニングアタックなどと呼ばれています。朝目覚めて室内で活動を始めると、床や布団の上にあった花粉や埃などが舞うことが原因かと考えられています。この時期の花粉症(特にハンノキ)では、バラ科の果物(モモ、リンゴなど)にアレルギー反応を示すことがあります(花粉・食物アレルギー症候群)。また通年性の鼻炎ではダニアレルギーが原因のこともあるようです。
 コロナ(オミクロン株)感染と症状が似ている部分があるので注意が必要です。鼻水やくしゃみなどは両者に共通ですが、コロナ感染では発熱やのどの痛み(咽頭痛)が、花粉症では目のかゆみが特徴的です。このような臨床症状の他、花粉症は血液検査でより確実
に診断できます。血液中のスギやヒノキに対する特異的IgEを測定(RAST)することです。花粉症の方は喘息に関係する抗原(ハウスダスト、ダニなど)が陽性になることもしばしば見られます。これよりも詳しい検査もありますが、私どものような診療所では、
この臨床症状と特異的IgEでほぼ診断可能と考えています。花粉症を疑われるお子さんがありましたら、この春休みにでも受診していただければと思います。対象は原則として6歳以上のお子さんとしています。6歳未満のお子さんでは花粉症の頻度は少なく、あったとしても症状は軽いことが多いためです。またアレルゲンの検査のために採血が必要ですが、小さいお子さんの場合嫌がられることが多いようです。

 

投稿者: なごやかこどもクリニック