院長ブログ

2024.02.19更新

 私どものクリニックでは、小児内分泌疾患の診療を専門しているため、低身長(背がびない)のお子さんの相談をよくお受けします。それらの患者さんの約8-9割くらいは、ホルモンなどの異常がない体質性低身長症(いわゆる小柄)と診断されます。これらのお子さんには薬物療法の適応はなく、食事(蛋白質)、十分な睡眠、適度の運動などが重要です。これに関しては以前の院長ブログに書かせていただきました(2021年4月9,16,21日と5月17日)。
 この体質性低身長のお子さんが思春期に達した時(女児10歳、男児11歳)に背が平均よりも低い場合最終(成人)身長も低いことが知られています。具体的には、11歳で思春期に達した男児で身長が135cm以下の場合、最終(成人)身長が160cmに達しないと推定されます。
 こういった男児に蛋白同化ホルモン(プリモボラン)を内服することで身長を5cm程度伸ばすことが可能です(全例ではありませんが)。これについても以前の院長ブログに載せさせていただきました(2020年3月23日:低身長で思春期に達した男児について,2020年4月27日: 蛋白同化ホルモンについて)。
 これまでに450名以上の男児にプリモボランの内服をしていただきましたが、最終身長が160cmに達する男児が多くみられます。その1部では165cmを超える男児も出現しています。この治療は自費診療となりますが、薬代としては月に1万円以内となります。このようなお子さんがありましたら、小児内分泌外来(上條)でご相談下さい。

 

投稿者: なごやかこどもクリニック