戦後80年」と「昭和100年」 3 ―戦後復興と経済成長 ―

1951(昭和26)年のサンフランシスコ条約を経て、新憲法のもと日本は政治的にも経済的にも復興の道を歩み始めます。その前年に勃発し「朝鮮戦争」での経済特需もあり、日本の経済は勢いを盛り返します。1964(昭和39)年のアジアではじめての東京オリンピック開催時には東海道新幹線も開通し、輝かしい時代が始まりました(私が12歳)。1970(昭和45)年これもアジア初となる「大阪万博」を経て、日本はますます経済発展をします。この安定成長期のあと1986(昭和61)年ころからいわゆる「バブル期」にはいります。土地も株も驚くほど値上がりし、多くの人たちは「この繁栄が永遠に続くのでは」と幻想(期待)を持ちました。しかし1989(平成元)年12月末には株価と地価は暴落しました。この年の4月に私は米国の大学医学部に留学しました(実際には客員教授として招かれたのですが)。これから日本は長期間の経済不況におちいります(失われた30年)。
昭和という時代を私なりにこのように概観すると、これまた個人的な話になりますが、私は子供のころから大学生時代、そして医師となってから同業の家内(産婦人科医)と結婚して米国の大学(バンダービルト大学医学部)に留学するまでの期間、日本の長い歴史の中でも稀にみる政治的にも安定し、経済的にも豊かな時代を過ごせたのは大変な僥倖であったと感じています(昭和27から64年までの37年間)。もちろん今の令和時代も、いろいろ困難のある中で日本人の叡智を結集してより良い社会を築いていきたいものです。特に今これまで世界をリードしてきた米国がトランプ大統領により変質してきています。「民主主義」「国際協調」「人権擁護」「自由貿易」などの概念が揺らぎつつあります。私たち日本人は今こそこれらを守り世界に発信すべきと思いますが、皆様はどのようにお考えでしょうか。そしてこれからも戦争のない、また参入しない平和な日本であり続けたいですね。

 

 東京オリンピック入場式(日本選手団)

1964年10月10日