百合の季節 ―歩く姿はユリの花― なごやかkids Vol.51より

 梅雨の時期となりました。梅雨と言えば紫陽花(アジサイ)ですね。これについては、昨年のこの時期にご紹介しました(Vol.49/2024)。百合は5月から8月くらいに開花する、やはりこの時期の花ともいえるのですね。百合というと英語ではリリーというくらいなので欧米原産の花かと思っていたのですが、アジアが主な原産みたいですね。日本では「古事記」にこの花の記載があります。江戸時代後期より栽培されるようになり、ドイツ人医師シーボルトがヨーロツパに持ちこんで栽培されるようになりました。キリスト教の復活祭に「イースターリリー」として飾られるようになりました。これらの百合が日本に逆輸入されて、現在約15の品種があり夏に漏斗状の美しい花を咲かせます。茎が高く、風に揺れる様子から「揺り」というのが語源であるという説があります。
一方で、この花は西洋でも古くから知られ、聖母子像(1477年頃)の背景に描かれています※。西洋でも東洋でもその美しい姿から、純潔や威厳などの高貴さを象徴する花として愛されています。日本でも女の子の名前として「百合子(ゆりこ)」がつけられていますね。女優さんでいうと、「光る君へ」の吉高由里子と「若大将シリーズ」の星由里子(享年74歳)さんくらいですかね。星由里子を知っているのは私と同じかそれ以上の世代になりますかね。

2025年6月 院長 上條隆司


※ ヨーロッパの教会母子像などのリリーは「マドンナリリー」と呼ばれているようです。

 

画像:三種類のユリ