平成20年7月26日(土) 「つくしの会」懇談会
名古屋大学医学部附属病院構内 鶴友会館
軟骨無形成症と成長ホルモン治療
―GH治療の可能性と限界―
―GH治療の可能性と限界―
この日愛知県を中心とした東海地区の「軟骨無形成症」の患者さんやその家族約30名が名古屋に集まりPM1:00より懇談会が開かれました。
PM2:30より私が軟骨無形成症と成長ホルモン(GH)治療について約1時間お話をさせていただきました。
まず軟骨無形成症は約2万5千人のお子さんに一人くらいの割合でみられる骨の病気で、近年ある遺伝子(FGF-R3)の異常により起こる(多くは突然変異)ことを解説いたしました。
以前はこの病気と診断されても、整形外科や脳外科的な合併症の治療以外これといった治療法はありませんでした。
これらのお子さんでは成長ホルモンは分泌されているけれど、GH治療で身長を伸ばすことができることが明らかとなり、約9年ほど前より保険(小児慢性特定疾患)でこの治療が開始されました。
私どものクリニックでGH治療をしているお子さん(男女各1名)についてお示しし、最終的に140-150cmの身長に到達することを期待すると報告しました(治療しないと120-130cm)。
その他の治療として「脚延長術」についてご紹介しました。
これは足の骨(下腿骨)を切断し、特殊な器具を用いて周囲の神経や筋肉とともに骨を1日1mm程度伸ばすという治療で半年から1年近く入院を必要とします。
大変な治療ですが下腿骨、大腿骨の延長を行うと身長を20cm以上伸ばし、O脚も矯正されます。
名古屋大学整形外科(鬼頭浩史先生)では再生医療を用い多くの患者さんで良好な成績をあげていることを紹介いたしました。
GHは比較的簡単に自己注射ができ、副作用もほとんどなく安全な治療方法ですが(GH治療の可能性)、この治療だけで身長が140cm以上に達するかというと、それはかなり難しいと思われます(GH治療の限界)。
そのためGH治療を4から5歳くらいに始めて、小学校高学年くらいに脚延長術を行うのが現時点では良い方法かと思います。
GH治療は脚延長術までの補助療法としてとらえていただくのが現実的かと思われます。また今後の新しい治療についても少し触れさせていただきました。
この日は連日の猛暑のさなかでしたが多くの方に来ていただき、私の話が少しでもお役にたてれば幸いです。
また「つくしの会」の本部から堀越さんも来ていただき、会員の皆様といろいろと意見交換ができました。
この懇談会をきっかけに「名古屋(愛知県)で年1回くらい勉強会が開けるといいですね」という声が聞かれました。
最後に参加者全員で記念写真をとり、会はお開きとなりました。
なごやかこどもクリニック 院長 上條隆司






