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2010.05.03更新

5月3日(月) 奈良大和路の長谷寺


5月の連休はどこへ行っても込むので例年名古屋で過ごすことが多いのだが、今年は偶然宿がとれたので家内と一泊二日の旅にでる。近鉄の名古屋駅から伊勢中川で乗り換えて長谷寺駅で降りる。かなり遠いところと思っていたが、近鉄で名古屋から約2時間で来ることができた。ここは奈良県桜井市になるのだが、駅から歩いて本日の宿「井谷屋」まで行く。ここは嬉しいことにこの地区で唯一温泉のある宿である。宿から歩いて数分のところに長谷寺がある。この寺は万葉集にも歌われるような古い歴史を持ち、「長谷寺(はせでら)」という名前はこの地区が「初瀬(はつせ)」とよばれていたことに由来するようだ。

山の斜面に作られた境内はゆるやかな上り坂になっている。この時期らしく新緑がまぶしく「花の御寺」といわれるだけあって、いろいろな花が美しい。なかでも「ぼたん」が有名で、いろんな色のぼたんが咲きみだれている。それにしてもこれだけの種類とボリュームのぼたんをみるのは初めてのことである。この寺は真言宗豊山派の総本山で、その歴史は西暦686年に道明上人が天武天皇のためにこの地に仏塔を建立したのが始まりで、その後727年道徳上人が聖武天皇の勅により二十一面観音をおまつりし、以来1300年余り経た今日でも多くの人々の信仰を集めている。

ご本尊の「十一面観世音菩薩像」(重要文化財)は巨大で下のほうから見上げても、そのお顔を拝することはできない。木造の仏像としては日本最大のものであるという。その他国宝級の仏像や絵画(歴代徳川将軍の肖像画)など多数存在するが、限られた時間内に全部を見ることはできなかった。この観音が安置される本堂(国宝)から眺める山の緑がより生き生きと感じる。夕方には宿にもどり山菜の豊富な食事と温泉にはいれたためか、朝までぐっすりと眠れた。
「ぼたんひとつ おちるか 初瀬の寺  隆」


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長谷寺の入り口: 仁王門

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紀貫之(866-945)の歌碑。紀貫之が長谷寺を訪れた際に詠まれた詩といわれる。 故里の梅 人はいさ心も知らず 故里の 花ぞ昔の 香にほいける(古今集)

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御本尊「十一面観世音菩薩」の案内図:  この観音像は高さが10m以上 あり、木像仏として日本最大である。

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本堂(国宝)を背景に咲き乱れる種々の牡丹

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一輪の牡丹: 中国(唐)の皇帝より贈られた数本の献木が始まりのよう である。

投稿者: なごやかこどもクリニック