なごやかこどもクリニックの過去のブログ

2009.08.08更新

8月8日(土) 長良川の鵜飼

  毎年夏にクリニックのメンバーで長良川の鵜飼を楽しんでいる。昨年は8月末に予約したため雨と雷の中での鵜飼で、大変な思いをした。今年はおだやかな天候で、楽しい鵜飼となった。クリニックをPM4時半にマイクロバスで出発する。今年は代務に来ていただいているT先生夫妻と娘さんを含め総勢15人で出かける。ちょっとした遠足気分で、子どもたちはバスの中ではしゃいでいる。PM6時前に岐阜市内を通り、いつも利用するホテルに到着。一休みした後、屋形船(20人乗り)に乗船する。ここでまず食事とビ-ル、お酒となる(子どもはジュース)。まだ周囲は明るく、鵜飼の雰囲気とはならないが風も少しずつ涼しくなる。

PM7:30を過ぎると周囲も徐々に暗くなり鵜飼らしい雰囲気となる。鵜匠3人が数羽の鵜を引いて鵜船を進める。数隻の鵜船が闇の中をかなりの速さで進む。細かい部分は見えないが、松明の明かりが川面をすべるように進む。我々の乗った屋形船もこれに並行して進む。さすがに1300年以上続くこの「鵜飼」の優雅さ、あるいは「幽玄」ともいえる美しさを感じたのは私だけではないであろう。子どもたちもしっかりと見入っていた(昔の鵜飼のほうが本格的でより美しかったとのことだが)。あの喜劇王のチャップリンも2度この鵜飼を鑑賞し、日本の美として絶賛したということだ。芭蕉の句「おもしろうて やがてかなしき 鵜船かな」を思い起こす。

ひと時の夏の夜を長良川ですごした後は、マイクロバスで名古屋へ戻る。行きにははしゃいでいた子どもたちも静かで、心地よさそうに眠っている子もいる。かくいう私も、お酒の酔いと満足感が体中をめぐりいつの間にか寝入ってしまった。ところで現在のわが国は政治、経済ともに停滞し、このままいくと経済破綻(国家破産)する可能性も低くない。さらに日本という国そのものが存亡の危機にさらされることを憂いている。仮に将来地図上に日本という国が消滅したとしても(中国の一部になっているかもしれない)、この「鵜飼」のような日本の伝統だけはなくならないだろう(なくしてはいけない)。千年以上続く伝統文化をいくつか持つ民族というのは、地球上にそれほど多くないだろう。そんなことを考えさせられた夏の一夜であった。


長良川: 屋形船


圭太郎君とともに


乗船前:全員集合


屋形船で宴会


屋形船の子どもたち


鵜飼船の松明

投稿者: なごやかこどもクリニック